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アジア建築交流国際会議2016 学生国際コンペティション

2016年下吹越研究室修士1年が応募した『アジア建築交流国際会議2016学生国際コンペティション「浜の未来七ヶ浜の復興をデザインせよ」』が審査委員賞に選ばれました


本計画は、笠山防災集団移転地域に移住した人びとや、漁業や海苔の養殖など産業を行っていた人びとと、サーフィンや海水浴のために菖蒲田浜を訪れる人びとが交流し、新しいアクティビティの場を形成するためのきっかけとしての「新しい交流の場」を提案するものである。

東日本大震災によってもたらされた被害は地域の特徴や人びとのつながり、町の痕跡までもが流され、5年たった今もなお、各地に残り続けている。地域の生業や暮らしが新しく始まり、活気を取り戻しつつある中で、未だに多くの町で手がつけられていない浜周辺の防波堤と高台の間の低平地が多く残っている。菖蒲田浜に新たな交流の場を作るために定期的な映画祭やフェス・花火大会などが開催出来るような、人びとが集まることの出来るギャラリーをつくる。敷地の周りには、畑をたくさんつくり週末農業をすることで都市部との若者ともつなることが出来る。映画をきっかけとして人びとが交じり合ったり、浜の特産品や地域の農業や漁業などの生産体験を通して、かつてのまちの賑わいを取り戻すことの出来るきっかけを作り出す。また本課題の敷地は虫食い状態の敷地が点在している。防災集団移転のために換地できず、虫食い状態になってしまった敷地は、仮設性があり可動性のあるスクリーンになるコンテナをおくことで、虫食い状態の敷地に合わせてフレキシブルに使えるようになる。コンテナと同様に仮設性・可動性を持つ布を使うことで、虫食い状態の敷地が全体としてまとまり、さらに海から吹く風を全面に受ける布が不可視の海風を可視化する。これにより防潮堤によって分断された海と低平地との関係がつながり、インヒューマンスケールがヒューマンスケールとなり、さらに低平地をより有機的な人間の活動が見え隠れする空間へと変えていく。可動性・仮設性のある布とコンテナを使ったギャラリーによって、地域住民と浜を訪れた人びとと、防潮堤によって分断されてしまった海と低平池のつながりを再建する。(メンバー:小倉明梨、小林はるか、山田僚太)