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お地蔵様プロジェクト
2016年4月に東日本大震災で流されてしまった祠とお地蔵様を再建してほしいという地域の方々の声によって法政大学渡辺真理+下吹越武人インディペンデントスタジオによるお地蔵様プロジェクトが始まりました。小積浜で行った第一弾に続いて第二弾のプロジェクトになります。今回も祠の設計から基礎工事・上屋工事まで自分たちで行い、多摩美術大学で製作していただいたお地蔵様を祠に置き、12月4日に無事竣工することができました。
震災の津波で流失した牡鹿半島・荻浜のお地蔵様を再建したい!
ArchiAidの牡鹿半島支援活動に参加し、被災した漁村集落の復興支援に関わってきました。私たちの大学では小積浜と荻浜の二つの浜を担当し、学生に何ができるのかを考えて活動してきました。その中の一つとして、地元の人々のヒアリングから「お地蔵様の祠再建」プロジェクトが発足し、学生で設計と施工を行いました。
2013年に小積浜で行われたこのお地蔵様プロジェクトは、復興がままならない荒れた土地の中で、地元の人々にとっての心の拠り所となるように願って造りました。本クラウドファンディングを通し、この小積浜の祠を見てくださった荻浜の方から「こっちの祠も造って欲しい!」という想いを受け、お地蔵様プロジェクト第2弾がスタートしました。
- 震災の津波で流失した牡鹿半島・荻浜のお地蔵様を再建したい!(法政大学建築学科渡邉研、下吹越研(代表冨安達朗)2016/06/30公開)-クラウドファンディングREADYFOR
- お地蔵様プロジェクト|Ishinomaki-shiMiyagi|Facebook
- お地蔵様プロジェクト_小積浜-YouTube
流失してしまった祠とお地蔵様――。今回の荻浜もまた、津波の爪痕がまだ生々しく残っています。
荻浜は天然の良港から発展した荻浜地区の中心地でした。明治維新後は、日本郵船の定期航路の県内最大の港としてにぎわいをみせたこの港も12年前の東日本大震災によって大きな被害を受けたと聞きます。震災から12年が経った今でも、まだまだ復興には程遠い状況です。地域の心の拠り所であるお地蔵様を作ることが復興の手がかりであると私たちは感じました。その荻浜にある祠跡地には、祠だけではなくお地蔵様自体も流されてしまい、台座と石碑だけが残っている状態です。私たちは今回のプロジェクトでこのお地蔵様を何とかしたいと考え、プロジェクトを始めるに至りました9年前に行った小積浜での経験を活かし、今回も学生たちが設計し、学生たちが造り上げることで復興のお手伝いをしたいと考えています。
お地蔵様と祠を再建するために!
私たちが祠を再建しても肝心のお地蔵様も流されてしまっています。そこで多摩美術大学のユン先生と学生に協力していただき、お地蔵様を造っていただくことになりました。学生たちのセルフビルドで造るので、出来上がるものは粗削りな部分もありますが、自分たちで考え、地元の人と対話をし、造りだすものは、手作りだからこそ持つ暖かさがあります。そんな地元の人に愛される祠を今回も造りたいと思っています。
この祠が荻浜を長い間見守り続けてくれるものになってほしいと思っています。精度や構造について堅実なものにするため、渡邉眞理先生、下吹越武人先生、佐藤淳先生にレクチャーをしていただきながら、セルフビルドが可能であり、学生らしいデザインの祠にしたいと思い現在もブラッシュアップを行っています。お地蔵様の雨避けだけでなく、お参りに来たときに座ることができる椅子なども併設するなどして、親しみのある祠を考えています。
小積浜のお地蔵様の祠
お地蔵様のいない台座
学生によるセルフビルドの様子
これらの祠は、2枚の木板からできています。切り出した部材を交互に重ねていくことで、形ができています。この切り出し方によって、木材でありながらラーメン構造になっています。
協力していただいている方々
- クラウドファンディングREADYFORで賛同して頂いた72名の皆様
- 株式会社リョウエイ
- 石巻生コン組合 株式会社トウブ石巻
- 銘建工業株式会社
- 東日本パワーファスニング株式会社
- 有限会社小川耕太郎百合子社
- キムラふとん店
- 株式会社 総合資格
今回お地蔵様に参加しているメンバ
- 法政大学デザイン工学部建築学科教授 渡辺真理
- 法政大学デザイン工学部建築学科教授 下吹越武人
- 東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授 佐藤淳
- 多摩美術大学 美術学部 工芸学科教授 尹煕倉
- 法政大学渡辺真理研究室
- 法政大学下吹越武人研究室
- 法政大学浜田英明研究室
- 法政大学陣内秀信研究室
- 東京大学佐藤淳研究室
- 多摩美術大学陶芸科